rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

久しぶりにICCに行く


ここのところ、文化的なイベントに参加して
いない。ということで、ふと思い立ってICC
(インター・コミュニケーション・センター)
に行く。行きは、参宮橋から歩き、帰りは、
代々木上原まで歩き電車で帰った。日頃見る
ことのできない風景をたくさん見ることが
できた。たまには、まち歩きは必要だ。


さて展覧会の方だが、八谷和彦氏の「OPEN
SKY 2.0」展と伊東豊雄氏の「建築|新しい
リアル」展をみてきた。


八谷氏は、ポストペットを考えた人である。
バーチャルな世界からスタートした人だが、
バーチャルとリアルをピョンピョン飛び
跳ねるようにして、バーチャルをリアルに
見せ、リアルをバーチャルに見せる。その
スキマのリアルのエッセンスを垣間見せて
くれる。今回のプロジェクトは、実際に空を
飛ぶジェットエンジン搭載のラジコン飛行機
とちょっと不思議な人が乗るグライダーの
展示と製作の様子を撮った映像と、グライダー
のフライトシミュレーターなどであった。
クイズに答えて2問正解し搭乗することが
できた。


伊東氏の方は、象徴的な空間をつくること
から始まり、バーチャルな透明性をくぐり
抜けて、物質のリアルに向かおうとしている
建築家である。ただ単に物質の現実について
語っているのではなく、建築的な束縛から
開放されて、モノやカタチのもつメッセージ
に注目しているのではないかと思う。モノや
カタチが人にもたらすイマジネーションこそ
がリアルなのだろう。


2つの展覧会をみて、人間にとっての新しい
時代の新しいリアルを考えることが必要な
時代がついに訪れたことを実感した。