rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

コウボ的


昨夜は、工務店企画の「構造建築家の皆様
ご苦労様でしたの会」に参加。いまをときめく
構造建築家がこれだけの人数集まることは
珍しい。その他の参加者は、工務店、建築家、
建築マッチング会社、などの関係者。


深夜までかなり盛り上がる。タクシーで家に
着くと、午前3時。日付が変わるまで飲むのは
久しぶりだ。きょうは睡魔との闘いの一日に
なりそうだ。


表題の「コウボ的」。最近クライアントの方に
自分でビールをつくられる人がいるといったこと
もあって、発酵なるものに興味を持っている。
いろいろ新しい発見がある。イースト菌は、パン
を発酵させるだけのものと思っていたが、英語で
「yeast」は、酵母一般を指すらしい。麹もyeast
である。


なぜ、コウボ的なるものに興味があるかと
いうと、物質が菌と関わることによって、発酵
という状態をつくりだし、以前と全く異なる物質
に変化させるところにある。菌一個ずつその
ものの行為はものすごく微細であるが、全体と
しては、一気に様態を変化させるのである。


酵母は小麦をパンに、麹は米を酒に、乳酸菌
はミルクをヨーグルトに、変化させる。などなど
とても興味深い。日本も、なれ鮨に代表される
照葉樹林文化の東端に位置している。人間の
食文化はこれらの菌とともに変化してきたと
いっても過言ではない。


いままで、部分と全体の関わりを、自分との
関係で語るときに、インターネット的、ゲリラ的、
ネットワーク的、ウイルス的、などの言葉を使って
きた。でも、これからは、コウボ的という言葉を
使おう。コウボ的という言葉のなにがいいかと
いえば、物質性がしっかり関与していることに
ある。


具体的な物質性に関わり、それを部分から変化
させていくことで、全体のしくみやシステムを
変え、全く異なる性質の物質に変化させる。ここ
がミソである。物質性と観念性がしっかり関わり
合っていることこそが重要なのである。


これからも、コウボ的な生き方をしていこう。


まあ、酒が好きってのが、この思い付きの原点
なんだけどね・・・。