rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

設計に関する対話の手法


一般に、設計の打ち合わせというと、依頼主
の要望と、設計者が表現したいことが平行して
あって、双方が歩み寄って、折り合いをつけ
ながら設計を一つ一つ決めていくというふうに
思われているのかもしれない。


うちの事務所では、上記のような進め方はして
いない。依頼主の要望をとことん聞きながら、
考えられうる全パターンの設計を提示し、どの
ような生活を望まれているかをいっしょになり
ながら見つけ出していくというやり方をしている。
これは双方が歩み寄るのではなく、依頼主と
設計者が、お互いのニッチな一致点を見つける
というやり方である。


この方法は、双方がこころを開き合い、時間を
かけることではじめて成り立つ。たいへん手間
のかかる方法だが双方の一致点が見つかれば
それほどいいことはない。


そんなことを考えながら設計を進めている。