rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

デザインについて


デザイナー住宅、デザイナーズマンションなる
ものが一時期流行ったが、あれらはなんだっ
たのだろうか。ごく普通の間取りの建売住宅
の表面に、ただ表層的なものを新しめの材料
で覆っただけのものが多かったのではないか
と思う。


デザインの間違ったイメージを人々に伝えて
しまった感がある。


われわれが日々取り組んでいるデザインは、
そうした表層的なものではなく、外部環境と
内部環境、人と内部空間、人と人、など様々
なものとものの関係性を組み立てなおすこと
であったり、人と対話して建築を構築していく
プロセスそのものもデザインの対象として
とらえている。


表層ではなく、深層レベルでの関係性や構成、
時間やプロセスの再編こそがデザインの本質
なのである。


建築のデザインとは、関係するものごとの
関係性を再編し、その方向性にかたちを与え
ることである。決して表層的な表皮の取替え
っこ遊びではない。