rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

スマートフォン考


先頃亡くなった西部邁さんは、晩年電車
を使わなくなった。理由は、乗車してい
るほとんどの人がスマートフォンをいじ
っている光景に耐えられなかったらしい。


この話を知って、ジョージ・オーウェル
1984」思い出した。それぞれの家に置
いてある「テレスクリーン」によって全体
主義国家が人民に命令を出し、人々を
盗聴し監視する。テレビがそれに当たると
思っていたが、よく考えるとスマートフォン
がまさにテレスクリーンである。


スマートフォンSNSをつないでいると
情報を仕入れて、新たな情報を出してい
るようでも、SNSの社会からなんらかの
命令をを出され盗聴され監視される。


自分もスマートフォンを使っているのだ
が、SNSは使っていない。ウェブサイト
を観たり調べ物をしたり、仕事のメール
チェックに使っている。直感的にそうして
いたが、「1984」のことがどこか頭の片隅
にあってその関連性を無意識に感じて
いたのかもしれない。


西部邁さんの死を通じて、そんなことを
考えた。西部さんのご冥福を祈りたい。