rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

ヴォイド・デ・ナイト


昨日は、「OS-HOUSE 2」voids(東京都町田市)のオープンハウスだった。
その後のクライアントMさんと当事務所主催のパーティ「ヴォイド・デ・ナイト」も
盛況のうちに終わった。


この計画は、木造で2階建ての住宅をつくってほしいというご要望からスタートした
仕事だった。町田駅から徒歩5〜6分、近隣商業地域で建蔽率80%容積率240%という
好立地にあるため、3〜4階建てにしてマンション経営をしながら最上階に住むという
のが一般的に計画だと思われた。しかし、クライアントのMさんは敢えてその選択を
しないという強い意志をお持ちだった。どうせ常識を逸脱するのなら、思い切って
この場所で平屋をつくってみてはと大胆な提案をしてみたところ、与条件が満足
できるならOKとの答えをもらった。それでこの建築が生まれた。


過密な都市空間の中、ぽっかりヴォイドをつくり、内部では3つの中庭(ヴォイド)で
内側に開く。なかなか痛快な建築だ。


パーティでは、ヴォイドのテーマにあわせクライアントのMさんが唯一おいしいと
いわれるバウムクーヘン日本橋三越から買ってきてくださった。(写真左)
右の写真は、MさんとスタッフSが穴の開いているものということで、フラフープを
内緒で手配。中庭で、フラフープ大会が始まる。往年のフラフーパーはなかなかまま
ならない中、工務店の若手監督、うちのスタッフO、そしてMさんは、なんなくクリア。
どうやら力を抜いてやるのがコツようだ。ちなみに私はバツ、ちと悔しい。


話は建築に戻るが、ジュゼッペ・テラーニのカサ・デル・ファッショ(現在カサ・デル
・ポポロ)のような、限定的に外に開きながら、内側に詩的に広がる、あんな建築を
つくってみたい。
この住宅は、そんなことを夢想しながらデザインした建築である。