rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

ワーキング・プア


写真は、事務所の日除け用のゴーヤ。
土曜日にはクライアントの方に二本プレゼント
できるまで大きくなってきた。


昨晩、NHK特集で「ワーキング・プア」に関する
番組を観る。秋田のイチゴと米をつくる農家は、
農作物の価格が下落して赤字続き。男ひとりで
息子二人を養っている男性は、夜勤の仕事3つ
やってもリストラ以前の給料の1/3以下。もう
一つ仕事を増やすという。身寄りのない30代の
男性二人は、20代まではあった仕事が30才に
なるのを機に激減してホームレス生活を余儀
なくされている。ホームレスになれば、これ
また就職先がないという悪循環に陥る。


働きたくても働くところがない。あったとしても、
働いても働いても生活が成り立たない。それが
何代にもわたって引き継がれてしまう。


高度成長期からバブル崩壊までの、与えられた
仕事を頑張ってこなしていれば、生活も向上して
いくという時代が、はっきり終わったことがこの
番組から見えてくる。


過去のいい時代のシステムをそのまま変更する
ことなく続けているがゆえに、構造的な矛盾を露呈
しているのではないか。


パラダイムが変化したら、社会のシステムや
構造も変換しなければ齟齬が生じるのは当たり
前だ。いまだにそれができていないところに
問題がある。