rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

構成は空間のためにある


建築には、大きく分けてふたつのアプローチが
ある。


ひとつは、使いやすいとか間取りがいいといった
実用的で機能的なもの、もうひとつは、「空間」
などの機能的視点では図り知ることができない
デザイン的な分野である。


若い頃は、後者のデザイン的な分野にある「構成」
という考え方は、美しいオブジェクトのためにある
と考えていた。多くの建築を手がけていく中で、
「構成」という考え方も「空間」につながっている
ことが分かってきた。


「空間」という考え方は、使う側の豊かさのため
にある。一方、「オブジェクト」はつくり手のため
にある。


見えざる、分かりづらい「空間」や「構成」の次元
を考えるのが建築家の仕事である。できるかぎり、
この分かりづらい分野を噛み砕いてクライアントに
伝えていきたいと考えている。