rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

遅さについて


建築のデザインは、的確に素早くできる
ようなかっこいいものではない。これでも
かこれでもかというところまで考え抜いて、
もう諦めかけたときに、いままで断片で
バラバラだったものが一点に向けて収斂
し始め、いままでの様々な苦労がまるで
うそだったように美しい全体のかたちを
成す。デザインとはそんなものだ。


的確に刻まれる時間より少しズレてくる
「遅さ」こそがデザインの本質である。


遅さを確保するのは結構難しい。また、
コントロールできるものでもない。ある
意味、運を天に任せるようなものである。


ほんの少しだけでも確率を上げるには、
とにかく体調を整え、「世界」に対して
リラックスして意識を開いておくことで
ある。