rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

深層をデザインする


デザインというものは、ある一定の条件を
示され、それを取りまとめて、かたちにする
ことである。


一番簡単なのは、与えられた条件を字義
通りとらえ、短絡的にその要望に答えると
いうやり方である。世の中でもほとんどの
デザインはこの方法で成されている。


これがわるいことだと言おうとしているの
ではない。表層的なデザインはそれ以下
でもなく、それ以上にもなりえない。つまり、
なんらかの豊かさや、深みを与えてくれる
ことはない。


与条件の背後には、条件を出した人の深い
思いが隠されていることが多い。それらを
読み取り、紡ぎ出してデザインしてはどうか。
きっと、そうすることによって、デザインは
その人の生き方にも関係してくるし、一生
その人に寄り添うものになりうる。


深層をデザインすること。このことによって
豊かさや深みを獲得できる。


条件は、微分したり、積分したり、することで
多面的になり、味わい深いものになる。固定
観念にはまらず、思考を自由にして本質を
つかんでいきたい。