「制度化」のもたらすものについて考えてみた。
ゆとり教育は、詰め込み教育を止め、子供たち
に時間的余裕をつくり出し、社会の人達と関わり、
社会的コミュニケーション能力を高め自分の頭で
考える子供たちをつくり出していくという、とても
いい政策だった。しかし結果はすべて反対のもの
になった。理念を制度化することによって理念が
死んだのである。
英語教育も然り。話せる英語教育をしようという
教育制度改革をしたが、聞こえてくる話によれば、
生徒が俄然英語が話せるようになったという話は
ほとんどない。ここでも制度化によって理念が殺さ
れたのだ。
今年、グローバル化推進大学を指定して、各大学
のグローバル化を進めるという制度を開始したら
しい。おそらく、これまでの制度化がもたらした
ことから推測すると、指定された大学は想定とは
異なり、反グローバル化するだろう。自分として
は、反グローバル化にシンパシーを持っているの
でいいことなのだが・・・。
制度化は、理念や概念、とくに贈与性に関わる
ものについてはなじまない。むしろ反対の結果を
もたらすのだ。差別や区別をなくす数値化できる
ものについては有効に働く。そうしたことの制度
化については推進していった方がいいと思う。