rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

可能性を残しておくというデザイン手法


建築を設計するとき、クライアントの要望は部屋Aで
なにをやる、部屋Bはなにをする部屋、というかたちで、
各部屋の機能を規定することから始まる。


取っ掛かりは、いったんすべて受け入れてみる。
各部屋でなにをするか決めても、実際そうなるかどうかは
分からないし、快適な生活とは無縁であったりする。
でも、機能も一切無視することはできない。


つぎに、この建築でどのような生活を望まれているかを
聞き、対話を重ねていくうちに、クライアントも設計者も
なにが大切なのかを見つけていく。


最後に考えること、それは部屋や廊下や階段などの
建築的な部位に単一の機能だけではなく別の機能を
重ねてみる。それぞれの部位の関係性や全体を見ながら
注意深く行う。単一の機能だけではなく、違う使い方が
されるかもしれないという可能性をデザインするのだ。


だから、私の建築には、広い廊下や広い踊り場が
多用される。


余白をデザインしておくこと・・・。


●庭の蕗が虫に食われている。虫たちも活発に活動
し始めたようだ。それにしても、きょうは豪徳寺近辺で
カラスを見かけない。どこに行ってしまったのだろうか。
それともなにかあるのか・・・。