rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

大きな視点に立ち戻って考える


問題や対立は、レベルや場所や時間を問わず、いつ
でもいろいろなところで発生する。


悪が前提であるならば、その解決方法は、ある種の
暴力でしかありえない。しかし、善を成そうとする、
善を前提とする場合、解決方法は、全く閉じられて
いるわけではない。


問題や対立が長引く場合、だいたいが、同じ地平を
出ることなく、問題点や対立点を列挙しあうだけで、
解決の糸口を見つけられないままということが多い。


そんなとき、問題や対立が生じている地平から一歩
飛び出し、上位のレベルで、それぞれがなにを思って
意見し、なにに向かっているのかを考えてみる。また、
その向かう先の一致点を探してみる。お互いがなにか
をよくしようとしているなら、必ずそれは見つかる。


住宅の設計の場合、関係者内の大きな目標は、一つ
である。クライアントご家族が末永くしあわせに豊か
に過ごすことができる住まいをつくることである。
クライアント、施工業者、設計者の間で齟齬が生じた
場合、この大きな目標に立ち返れば、いまそこに
ある問題や対立にどう対処し解決すればいいかすぐ
に分かる。


自治体や国や国際関係でも、このように考えることが
できる人々が増えれば、平和な世界をつくりあげる
ことができるのにと思う。もちろん、善に向かうことが
前提ではあるが・・・。