これまで、ずっと、この「現実」と「リアル」に
悩ませられてきた。現実であれ、リアルで
あれ、と世間だか世の中だか知らないが、
脅迫観念のように脅され続けてきた。
でも、いつも身に降りかかってくるものは、
身体的なダメージ以外は、具体的というより、
抽象的なことばかりである。仕事での社会
との関わりは、かなり抽象的である。
見えること、感じること、もひとそれぞれに
異なり、客観的事実にはなりえない。現実
にはなりえないのだ。
現実とリアルに脅迫されながら、こんなこと
をずっと感じて生きてきた。
きょう、養老孟司著の「ぼちぼち結論」(中央
公論新社刊)の冒頭を読んでいて、すっと
楽になることばに出合った。氏の定義による
と、現実とは「その人の行動に影響を与える
もの」となる。抽象的であろうが、具体的
であろうが、関係ない。明快である。
これからは、人に影響を与えるものを現実
としてとらえながら、新たな局面を切り開き、
考えて生きていけばいいのだ。