rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

モノゴトが歴史になるとき


いま、辻井喬さんと上野千鶴子さんの対談を
まとめた「ポスト消費社会のゆくえ」(文春新書)
を読んでいる。


辻井喬さんといえば、いまこそ作家として知ら
れているが、元セゾングループの社長堤清二
さんである。セゾングループの盛衰は、私の
これまでの人生とピッタリと重なっている。


1990年の大阪花の博覧会に関わらせていただ
いたときは、堤さんの絶大なる影響力をリアル
に感じることができた。バブル期のものすごい
勢いは言葉ではいい表しにくいほどのもので
あった。


モダンアートのイメージと重ね合わせながらの
イメージ戦略は、そのころの若者の気持ちを
がっちりとつかんでいた。セゾンによって流行が
つくられていたといっても過言ではない。


このように、意識的に生活する時間が30年にも
なると、身の回りのモノゴトは歴史化する。


学校で習う歴史とは異なる歴史の側面に気付き
始めた今日この頃・・・。