rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

interdependent


人は、なにを頼りに生きていけばいいのだ
ろうと、問われれば、自分なら自らの意思
とベクトルと答えるだろう。まずは、個人が
「とりあえず」自立する意思をもっていると
いうことが重要である。


しかし、自立した、他と関係を持とうとしない
個人が集まっても。ただ、自立した人たちが
いるという事実があるだけでそこではなにも
起こらない。


なにかかが起こるには、個人と個人の接触
が必要である。できれば、対立的ではなく
弁証法的で前向きな関係の方がいい。


よく私は自立した個人という言葉を使うが、
ひとりの自立した個人がただいたとしても
「社会的には」なにも起こらない。それぞれ
の自立にも、資質、能力、体力などは異なる
ところがある。それぞれの個性を集めてはじ
めて社会的なるものが成り立つ。逆説的に
いえば、人間は個人ではなにもできないから
集まって社会をつくっているのだ。個人個人
の「相互依存」によって、社会は成り立って
いるということができる。


相互依存というと、ネガティブなイメージが
あるが、実はそうではない。それぞれの個人
が妥協し合うというような滅私的な方向とは
全く違う。個人のいいところを持ち寄ること
で、各個人のマイナス分を補っていくという
前向きなものなのである。


これからは、より積極的なinterdependentな
意識が重要な時代になっていくような気が
する。