rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

責任の不在


かつて、ロラン=バルトは東京を訪れて
「この都市には中心がない」と言った。
つまり、都市の中心に皇居という不在が
あることを指摘したのである。そこには
権力の不在でもある、天皇陛下がいらっ
しゃる。


第2次世界大戦の時、最高権力者である
天皇は、現人神という抽象化されたもの
に祀り上げられ、実際には権力の不在と
してしか機能しなかった。軍部は自己の
判断で勝手に侵攻し、自らは責任を取る
ことなく、天皇の責任という実際には責任
をとれない存在に全ての責任を負わせて、
不毛な戦いを遂行し悲惨な敗戦を招いた。


こうした構造が日本独特の「空気」という
不思議な社会構造を生み出している。


昨今大きな話題となっている「森友学園
問題」と「豊洲市場移転問題」も最終的
責任の不在という日本独特の社会構造
がもたらしている問題といえるだろう。


誰もが、自らの範囲内の責任をそれぞれ
がしっかり取っていくことをすることでしか
問題は解決しない。


自戒を込めてこんなことを考えてみた。