rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

欧米と日本の大学の違いなど

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アメリカのアイビーリーグの大学に留学したことがある友人から、論文を書くときに建築の教授と経済学の教授の指導を受けたと聞いた。なんとなく聞き流していたが、よく考えるとすごいことだ。

 

いま、オックスフォード大学と東京大学の2人の日本人教授の対談本を読んでいる。アメリカのアイビーリーグは、上に書いたように異なる学部の教授2人の指導を受けるようだ。そうすることによって、縦割りだけではなく横とのつながりや関連付けができる。また、イギリスのオックスフォード大学とケンブリッジ大学では、低学年のときカレッジというものがあり、寮生活をする異なる学科の学生7~8人を一人の教授が見る仕組みがあるそうだ。学部、大学院では、アメリカのように異なる2つの学部の教授の指導を受けるらしい。このような仕組みで縦割りではなく、水平的に拡がる教養を身に着けることができる。

 

日本では、すべての学部が縦割りで異なる学部や学科の人と交わることがない。その中でも頑張っているのが東京工業大学だろう。リベラルアーツ研究教育院に文系のリベラルアーツ関連の教授を14人程度集め教養課程でリベラルアーツを教えているらしい。なぜ、工業大学に社会学などの文系の教授がいるのかと思っていたが、こういうことだったのか。日本では、かつて旧制高校ではリベラルアーツを学んでいたようだが、戦後の大学ではリベラルアーツを教えることはなくなってしまった。リベラルアーツは今すぐに役立つものではないが、今までに出合ったことのない危機的状況に遭遇したときにどのようにその事態に対処していくときにとても役に立つものだと思う。そんなことを思い、自分はあらゆるカテゴリーの本を読み漁っている。