rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

数値化できないもの

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新自由主義グローバリズムは、あらゆるものを数値化してお金の取引をするように仕向けている。お金にすることによって、簡単に遠くの場所と取引ができるからだ。いまの社会はあらゆるものの数値化を求めている。ポイントと呼ばれるものもその一つであろう。

 

文系の大学の縮小や学術会議の任命問題もお金を発生させない経済的に必要のないものを政府は排除しようとしているのもその一連の力によるものなのだろう。確かに、哲学や基礎科学はすぐにはお金を発生させることはできない。

 

漠然とした不安を社会から感じるのは、この数値化圧力によるものなのだろう。数値化できないものお金で買えないものは、「贈与性」関わるものである。人間社会を成立させているものは贈与である。気持ち、想い、思索、手仕事といったものである。これらを排除しようとする動きが、この世の中を気持ち悪いものにしている。ここまで経済を発展させてしまった以上、もちろん経済活動をすることは重要なことである。それと同時に贈与性を並立させていかないと人間社会は壊れてしまう。自由な活動が制限される中でこんなことを考えた。