現実には、受け入れてもいいものと受け入れ
てはいけないものがある。
受け入れてはいけないものとは、圧政による
理不尽な現実と根拠なき差別という現実で
ある。
革命的志向性をもつ新左翼的な流れの中では、
すべての現実的状況は、反体制的で排除すべ
き対象とされてきた。今となっては、対立すべき
イデオロギーもなくなり、先に述べた受け入れ
てはいけない現実以外のものは、その現実が
人々にとってよりよいものに変化する可能性が
あるものという条件付で受けれてもいいもの
ではないかと思う。
現在のようなイデオロギー的な対立のない世の
中では、まずは身の回りにある現実をしっかり
受け止め、その状況をどのようによくしていけ
るかを考えた方がいいのではないか。このよう
な考え方ができる人が思いの他少ないのにとき
どき愕然とすることがある。
対立の構図をつくる必要のないところでは、なる
べく対立することなく、いっしょに向かうことが
できる目標を見つけていくことこそ重要なような
気がする。