rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

イデオロギー消滅


1989年のベルリンの壁崩壊、1991年のソ連崩壊
にともない共産主義陣営と自由主義陣営の対立
構造、つまり東西冷戦は終焉を迎えた。これを
もって、60年に渡るイデオロギー対立は終った。
個人の財産を持たない世界と個人の財産の自由
を奨励する世界の区別がなくなったのである。


簡単に言うと共産主義は、個人財産を持たない
ことで人々を自由にし平等で豊かな社会をつく
ろうというもの。


一方、自由主義は、個人財産を持つことを奨励
しそれらを自由に運用し幸せな社会をつくって
いこうというもの。


どちらも豊かな社会を目指してつくられたイデオ
ロギーなのである。しかし、共産主義側では自由
主義社会の個人所有の考え方が入ってくると
体制そのものが危うくなる。一方、自由主義社会
の大企業は共産主義に侵されては存在が危うく
なり、社会の存立に関わると考えた。簡単いうと
こんなことで東西両陣営が対立していたのだろう。


自分のように、東西冷戦時代の状況を知る者に
とっては、時の自由主義体制を斜に構えて見る
左よりリベラルの立場を取る人が多い。


話は大きく変わるが、ここ5年以来は東京MXTV
の番組を中心にテレビを観ている。大手地上波
は一部の骨のある番組を除いて、右に倣えの
報道姿勢しか取らない、記者クラブを通しての
報道しかしないということに気が付いてしまった
のである。いまよく見ている番組は、モーニング
クロス、サンデークロス、週刊リテラシー、そして
ニュース女子である。


その、ニュース女子が沖縄の高江へリポートの
反対派の暴力事件暴露疑惑で大手メディアから
一斉バッシングを受けたのである。なんだか解せ
ないと思っていたが、ニュース女子が続編の番組
を放送したらしい。たまたま観ていなかったのだ
が、知り合いからユーチューブのアドレスを教えて
もらって観てみた。すると、沖縄県防衛局の職員
が反対派の人たちから、2人程取り囲まれ道路に
座らせられ暴力を受けている映像が映し出されて
いる。とするならば、ニュース女子がバッシング
を受ける理由がない。報道内容が右寄りなので
大手新聞が右に倣えで反対派の肩を持ち番組を
叩いたのだ。東京新聞までそれに加わっていた
というので驚きである。


ちなみに、ニュース女子は司会者を除いては
ほとんどが右派の論客であるというどちらかと
いうと右寄りの番組である。


これまでの報道は、体制側と反体制側で対立す
るという構造が明確だった。これがねじれ始め、
報道統制へと向かっているのは東西冷戦が終了
したことによるのだろう。右派と左派の基軸が
なくなり何を基準に報道したらいいか分からな
くなっているのだろう。今回の大手新聞はかつ
ての左派寄りの報道統制を自ら行っているのだ。
報道がある程度バラけていたらある意味健康で
あるが、こうもまとまってしまうと危うい時代に
なって報道は信用できるかという疑念を持って
しまう。第2次世界大戦下の報道のようになって
しまうのではないかと危機感を感じてしまうのは
自分だけだろうか。


いずれにせよ、しっかり自分たちの足で回り、自
らの目で見て確かめ報道をするという姿勢を各社
が貫いてくれればいいということだけである。今
からでもその姿勢を貫いてくれなければ不安で
仕方がない。


イデオロギーが死んだあと、右も左も関係のない
時代に突入している。何らかの立場は残るかも
しれないが大きな体制の方向性とは関係ないこと
が多い。この国この社会をどのようによくしていく
かという考えを以下に共有して協働していくかが
求められている。


いまでも自分は、左派リベラル寄りの立ち位置を
持っている。イデオロギーが終わったいまほと
んど意味がないのだが、今の体制に対する抗議
の意図も込めてこのスタイルを貫いている。繰り
返すが、いまは、右も左も関係なくこの社会をより
よくいていくにはどうしたらいいかをともに考え
行動していくことが重要である。


最後に送ってもらったアドレスを添付しておく。
ぜひご覧になっていただきたい。


ニュース女子の前に
https://www.youtube.com/watch?v=8eS4o-CxyjI
そしてニュース女子続編
https://www.youtube.com/watch?v=hDD0s6zCJUY