rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

個からの変革


これまで何度かまちづくりワークショップの
ファシリテーターをさせていただいたことが
ある。いずれも行政主体のもので、各チーム
から導き出される答えは、普通そうだよね、
そうなるよねという当たり障りのないもの
となる。意見の異なる人たちの意見を取り
まとめるとそうなるのも当たり前だが、そこ
で話し合われる内容は一般論が多く、個人
で具体的に行動を起こしているわけではない
人たちの話し合いであるから仕方がない。話
の内容が、人々の外側にあるものになって
しまうのも当然である。自分たちが自ら行動
を起こし具体的に実行して行きたいことが
あれば、どこに問い合わせて、どのような
アクションを起こしていけばいいかという
リアルで熱がこもったものになるはずである。
そろそろ行政に頼るワークショップはやめて
意思ある個人の集合体がWS立上げていく
のがいいのだろう。行政はそれをサポート
してくれるだけでいい。


国でも、地方でも、大企業でも、だれもが
現行のしくみは、現状にマッチしていない
ことは分かっているはずである。それでも
変えられないのはなぜだろうか。ここでは
その議論は控えておこう。


いまのところ、組織から変えていくことは
ほとんど絶望的である。意思ある個人が自ら
身近なところから少しつ変革して行き、同じ
ような行動を取る人たちが協働して変革の輪
を広げていく。いま、具体的にできることは
これしかない。個からの変革である。