今の世の中は、周囲のあらゆるものを数値化
して優劣を付ける方向に向っている。
偏差値などのその最たるもの。学校を分かり
やすく序列化して人々をより高い数値を目指
すよう仕向けている。
数値化を突き詰めていくと、おそらくグローバ
リズムに行きつくのだろう。
数値化は近代以降、人々を貴族的な見えない
価値から解放し平等をもたらすために導入さ
れた。こうしたいい面もある数値化なのだが、
それが行き過ぎると逆に格差を生み出すこと
が昨今証明されている。
民主主義も多数決という数値化に寄って平等
が保たれている。人数の多い方の意見がただ
採用されると考えられがちだが、人数の少な
い方の人々が人数の多い人たちの意見を受
け入れるということも含めてでの民主主義だ
ということを忘れてはいけない。
数値化は確かに、人々に平等をもたらす道具
であることは間違いない。数値化することに
よってそこから洩れ出すものをも考慮しつつ
平等を担保する考え方をする必要がある。
また、極端に数値化する仕組みが浸透する
ことによって、じっくり自分の頭で考え自らで
行動するということがないがしろにされている
ように思えてならない。
数値化から漏れだすものに光を当て、深く思考
する生き方を取り戻さなければ、この世の中は
変になってしまう。自戒を込めてこんなことを
考えた。