rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

身体を使って自分で考えること


自分の仕事でいえば、この10年は基本的に
毎日パソコンの前に座り、CADで図面を描
いたり、メール連絡やブログ更新をしたり、
ネットで調べ物をしたりしている。最近では
買い物もネットするようになっている。


便利になったことはいいことともいえるが、
とにかく、身体を使っていない。ものごとを
考えるのは脳だけの仕事ではなく、身体
全体の細胞一つひとつも思考しているので
はないかと考えている。職人技などは身体
中の細胞が熟考した結果なのではないか
と思う。


身体を使う仕事は、農業や漁業などの一次
産業、職人仕事、芸術家、音楽家、運動
選手などに限られてくる。これらの人たち
がこれからの時代重要な役割を果たして
いくのかもしれない。


イデオロギーが死語となった今日、個人の
立ち位置を定めにくくなっている。それに
加えて、身体を動かして思考しなくなって
くることが重なってくると人々は思考停止
に陥ってしまうのではないか。気を付けな
ければいけない。


身体を動かし、身体と脳で自ら考え、自分の
立ち位置を確立する訓練をし続けなければ
いけない。自らの思考方法を持ち、世の中
の大きな流れに巻き込まれて知らず知らず
のうちに流されてしまわないようにしなけれ
ばいけない。


昨今の不安定な世界情勢、国政の中で、自
らの立ち位置を明確にして、見えない大きな
うねりを見極め、どのように生きていけば
いいかについて考えて続けていかなければ
いけない。


散歩なり、テニスなり、なるべく身体を動か
すよう意識して生活をしている。