世の中では、制度化やマニュアル化が恐る
べき速さで進行している。
それらは、勉学や業務を合理的に無駄なく
学びチェックするためのものである。だが、
実際の社会では制度化やマニュアル化で
そこでよりよくしようとしていたものが、より
悪くなるという現象が生じている。
まずは、ゆとり教育。本来は授業時間を少
なくして、生徒に時間的余裕を与え、社会
との関わりや自然と触れ合い、広範囲に世
の中のことを学ぼうというとてもいい制度だ
った。しかし、それがまったく裏目に出て
自分のあたまで考えない、社会を広範囲に
捉えられない生徒を生み出してしまった。
昨今の大学教育でも、建築でいえば建築を
考える方法論を教えることによって、方法
論の知識は増えたかもしれないが、自分で
外界を分析して、自らのあたまで考えどう
つくっていくかを生み出していく力を奪って
しまっている。
教育のグローバル化についても自分はとて
も危惧している。グローバル化を制度化す
ることによって、自立した個人として世界
と関わっていくという本来のグローバルな
思考が無化されてしまわなければいいがと
考えている。おそらく、グローバルな精神は
失われてしまうのではないかと思う。
ものごとを制度化する時にはじっくり時間
をかけて、それがいい結果をもたらすかど
うか、よ〜く考えなければいけない。