rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

なかまは幻想によってつくられる

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自分の飲み友達は、どのグループも5~6人の人数である。その種類は、建築関係、高校関係、大学関係、親戚関係、ご近所関係、テニス関係などである。それぞれのグループが集まる理由は異なっており、それぞれに参加する自分もそれぞれの人格で対応している。それぞれのグループを引き合わせても楽しくなるとは限らない。

 

それぞれのグループは、それぞれ幻想によって親和性を保っている。それゆえに、それぞれのグループ相互の関係は良好なものとなる確率は低い。

 

そのことが顕著に表れるのは、複数人で外国旅行に行った場合である。帰国しても旅行の話題で盛り上がる。しかし、同じ仲間でも旅行に行っていない人には、旅行に行った人たちの旅行の雰囲気に関わるような話題はほとんど伝わらない。旅行に行った人たちは、旅行の経験という幻想によって結ばれているからである。

 

世の中は、大小異なる大きさと違う性格をもつグループや団体で成り立っている。それらは、それぞれが通じ合わない幻想を持っているためお互いで折り合うことが少ない。昨今は、SNSなどでその幻想が強化されているために社会の断片化を助長しているといえるかもしれない。