rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

感染症のあと


感染症がはやり始めてもう3年になる。人類の歴史は、感染症との闘いの歴史であるとみる考え方もある。自分の知るところでも、感染症によっていくつかの文明が滅びたらしい。

 

よく知られるものとして、中世末期にペストの流行によりヨーロッパのルネサンスが勃興した。それまで主流だったものが、感染症の収束とともに次なるムーブメントに取って代わったのである。

 

100年前のスペイン風邪第一次世界大戦が終わり、ドイツのワイマール、日本の大正ロマンアールデコなど世界中でそれまでの体制的なものを取り払う自由な雰囲気が世界を取り巻いた。しかし、気に掛かるのは、その後、ドイツのナチズム、イタリアのファシズム、日本の軍国主義といった反自由主義の勢力が台頭してきたことだ。

 

感染症終息後に自由な状況が生まれるのは喜ばしいことだが、反自由主義が台頭しないようしっかりと見張っていく必要がある。

 

古くから、感染症をもたらしてきたのは軍隊だったようである。昔から人間社会において、もっともグローバルな活動をしていたのが軍隊であったことの証である。

 

スペイン風邪も、この度の感染症アメリカ軍がもたらしたのではないかという情報はとても興味深い。覇権国家の軍隊ほどグルーバルなものはないということである。