rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

腐蝕する境界線


境界線といえば、ふつう境界石によって
目に見えるものと考えがちである。実は
そうではない。大きさを持たないものと
ものを分ける「見えない」概念的な線分
である。それを仮に目に見えるように
境界石で示しているに過ぎない。


法律だってそう。こうしなければならな
い、それをしてはいけないということを
「概念」として条文化したものである。
裁判ではその概念を現実に照らして
合法であるか非合法であるか判断さ
れる。


概念は時代の状況に即していれば有効
に機能するが、そうではなくズレていれ
ば、現実と乖離してしまう。


概念は永遠のものだが、現実は必ず
腐蝕する。