rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

東京の西側の駅前商店街、それぞれの特徴

自分は、小田急線の豪徳寺というところに住み始めて25年くらいになるだろうか。初めてここに来た時、都落ちというか、あまり好きなところではないと感じていた。しかしこうも長く住んでいると、なじみの店も増えるし、歩いて隣駅の経堂と梅が丘にも行ける。また、世田谷線を使うと他の鉄道の沿線にも行ける。最近は、豪徳寺というまちがとても気にっている。

 

建築の設計をしていて、東京の西側の鉄道沿線で多くの建築現場があった。いろいろな鉄道路線には、駅前商店街の特徴があることに気付くようになった。そうすることによって、小田急線沿線が気に入る原因も見えてきた。小田急線沿線の駅前商店街には比較的チェーン店が少なく、古くからあるお店と若い人が始めたおもしろいお店が多いということが分かってきたのである。

 

東武東上線は、新しく洒落れた店は多くないが前からあるしっかりしたお店が多い。またあ、チェーン店は比較的少ない。それに比べてなぜか、西武線沿線は、チェーン店の進出が著しく個性的なお店が少ないように感じる。これは鉄道会社の性格によるものなのだろうか。中央線沿線は、チェーン店は比較的少なく、考え方がしっかりした方向性のあるお店が多い。京王線は、個性的な店が多く、チェーン店は比較的少ない。東急線沿線は、駅周辺は東急系のものが取り巻いているが、ぽつぽつとおもしろい店が見られる。京浜東北線は、チェーン店が少なく、古くて気概のあるマニアックなお店が多い。呑兵衛のおじさんが多い地域だからだろう。このように、鉄道会社の思惑と地域性が絡み、各駅前商店街はそれぞれの特徴を持って存在している。

 

自分はちょうど肌があってきた小田急線の豪徳寺商店街をさらに楽しんで生活していこう。