rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

考え方、学び方を身に付ける

f:id:yoaa:20190421083154j:imageこのブログでも何回か書いたこともあるテーマである。高等教育で身に付けるべきことは、高度な知識であることは自明のことである。しかし、もっと身につけておくべきことがある。それは、いかに考えるか、どのように学ぶか、である。いかに高度な知識を身に付けたとしても、それはそこまでのことで、その先にどのように学ぶか、そしてどのように考えていくかがないとそれ以上の発展も展開も望めない。とても重要なことなのである。

 

建築の設計についても、住宅を取っても毎回、敷地もクライアントが違う。毎度新たな出来事にいかに対応できるかという能力が問われる。住宅以外に、写真スタジオ、動物病院、ウイスキー蒸溜所などの設計に取り組んできた。いずれも最初に取り組むときは、右も左も分からない状況から設計はスタートする。なぜ、そんな状況でも設計の対応ができるのだろうか。まずはプロジェクトの概要を理解し、どのような仕組みで建物が機能しているかをつかむことから始まる。ここで使われるのが、どのように考えるか、それに基づいてどのように学んでいくかという能力である。この能力は、何らかの不測の自体が生じたときにそれに対応するために最も効力が現れる。

 

現在の教育は、考え方、学び方を身に付けるというとても大事なことが置き去りにされているように思えてならない。