rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

性格がいいということ


初めて、大学の先生の設計事務所に入るとき、先生から「性格がいい人は伸びるし、建築家になれる可能性が高い」言われたことがあった。

 

そのときは、どういう意味かよく分からなかったが、自分が独立してスタッフを雇うようになってようやくその意味が分かるようになってきた。

 

自分は修業時代、結構生意気だったかもしれない。しかし、外部や他人へのアンテナはしっかりと張り、どん欲におもしろいものは吸収しようとしていた。また、いいものはいいと正直に受け入れ積極的に取り込むようにしてきた。性格がいいというのは、周りの人や出来事に心をオープンにすることができ、自分にとってためになることをどんどん取り入れていき、活動の領域を広げていくことだ分かるようになってきた。

 

自分のスタッフにも、性格がいい人とそうでもない人がいることにも気付くようになった。いくら仕事がある程度できる人でも、性格がよくないと他人や周囲の新しいことを吸収できない人がいた。

 

仕事ができるというのは、高い演算能力をもってして、周辺の諸要素を理解し分析し解決できることともいえる。これで性格がよければ、すべてのことが発展する方向に結び付くのだが、そうでもないと伸び悩んでしまうようだ。むしろ、当初は仕事はできなくても、性格がいい人は、後天的に仕事ができる人になる可能性が高い。最初はどうにもならなかった人が、事務所を出るときには一人前に仕事をできようになっていった例をいくつか知っている。

 

自分も、常に周辺や他人に開き発展する機運をつかめるように心がけていたいと思っている。自戒を込めてこんなことを考えた。