rat's eyes:脆弱なラショナリストの視点

脆弱なラショナリスト「建築家:岡村泰之」の視点

社会

コミュニケーションのことなど

高校時代の友人と飲んでいてある言葉を思い出した。自宅近くにある寺の掲示板に貼られていたものである。「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」というものである。 彼と話をしていて、コミュニケーションの話題になったとき、彼は他者とは…

抽象化と概念化

科学でも人文科学においても、抽象化と概念化という考え方を通して成立している。 科学においては、科学的視点から世界を捉えるために、物質世界を抽象化して分類整理して概念化して世界の成り立ちを考える。ただ現実の物質を見つめるだけでは何も見つけるこ…

クリエイティブであること

生きていると、痛い失敗をしたり、嫌な思いをしたり、といったネガティブなことをいろいろ経験する。これをただネガティブなことと記憶していると、人生は後ろ向きなものになるだけである。 これらの苦い経験も、なぜそうなってしまったのか、どうすればポジ…

自分のあたまで考えて、自ら行動すること

自分のあたまで考えて、自ら行動すること。人間行きてりゃ当然のことと思うのだが、その当然なことができない人が多くなってきているような気がしてならない。この行為は、自らの責任のもとでなければできないものである。大きな組織に属している人は、その…

考え方、学び方を身に付ける

このブログでも何回か書いたこともあるテーマである。高等教育で身に付けるべきことは、高度な知識であることは自明のことである。しかし、もっと身につけておくべきことがある。それは、いかに考えるか、どのように学ぶか、である。いかに高度な知識を身に…

人間関係の難しさ

グループで何かをしようとするとき、その参加者それぞれの思惑は当然異なる。ある人がその思惑を突出して実行しようとすると調和は乱れグループの結束は崩壊する。よくあることである。 このブログの中で何度も書いてきたが、このとき有効な考え方は「利己的…

いまやっていることは、未来のためのこと

料理をつくることは、それをおいしく食べて満足しりらっくするためである。どこかに出張するとして、電車や飛行機のチケット手配するのは、当日確実に電車や飛行機に乗り確実に出張先で仕事ができるための行為である。当たり前のことだが・・・。 現在という…

深く考えること

世の中の風潮として深く考えることが、かっこ悪いことのようになっているように感じる。SNSを中心としたネットでのコミュニケーションは便利だと思う。その一方で、交わされる文章は短く表層的で単純な伝達をするだけのものになり、深く考えることを阻止して…

素直であること

これまで、第一線で活躍する、建築家、芸術家、音楽家、写真家、などとお会いする機会があった。いずれの方にも共通するのは、「素直」あることであるように思う。 素直とはどういうことだろうか。辞書によると、「くせがなくて、のびのびとしているさま。」…

利己的利他

交通網が発達しインターネットなど情報通信インフラが整備された環境の中で、直接人と会い会話を交わすことはもっとも贅沢なものになったと思う。だんだん歳を取るにつれ切実にこのことを感じるようになってきた。 学校関連の友人、建築仲間、テニスの友達、…

天気予報

おとといの天気予報では、きのうの東京地方は大雪ということだった。しかし、粉雪で積もりそうもない降りだった。きのうの午後には、大雪にはならないと予報を修正した。その途端、大粒の雪に変わる。積もりそうな様相になる。結果として、今朝数センチの雪…

思い付く力

日々日常生活の中で同じことを繰り返していて、とても小さなことでもこれをこう変えるとおもしろくなるかなとつい思い付くことがある。こんな当たり前のことだが、ふと思い付いて実行してみるというごくごく普通のことがあまりなされていない世の中になって…

つくり手の構え

建築家として、クライアントと施工者と関わる時、デザインと設計で責任を全うするべくそのチームに加わる。デザインと設計をするということは、クライアントと寄り添いまだ見ぬ空間を専門家として考え、クライアントの言葉からエッセンスを紡ぎ出し、かたち…

なにが起こるか分からない

変化や異変は突然やってくる。人生や仕事も、こうなったらいいなと思っていても決してそうならないことが多い。これまで生きてきて、自分が思ったようになったことは数少ない。人は周辺の環境に生かされている存在なのかもしれない。 仕事では、できる限り計…

歴史と地理について

大学受験までの歴史と地理は、記憶するだけのものと考えていた。歴史ものの映画やドラマは好きだったが、学校で習う歴史には実感がなくただ字面を覚えていくものでしかなかった。 半世紀以上生きてきて、高度経済成長からバブル崩壊、失われた30年を経験して…

分からないことが何かを知っていることの重要性

一般に、人は成長していくにつれて、視野が広くなり、知っていることが増えていく。この時重要なのは、何について分かっているかは必要だが、分からないことが何かを知っていることである。 現時点から将来、何か新しいことを学んでいくとすると、何について…

チームで考え、チームで行動する

人は一人では生きていけない。誰かに支えられ、誰かを支えながらでないと生きていけない。とくに仕事において、それが顕著に表れてくる。 人はチームで生きていかなければいけない宿命にあるのかもしれない。チームには大きく分けて、2つのタイプがある。立…

一番贅沢なこと

インターネットによって人々のコミュニケーションは大きく変わった。メールは世界中に届くし受け取ることができる。スカイプを使えば、世界中の人と顔を合わせて会議をすることができる。とても便利になったと思うが、逆に面倒くさいことも多くなったような…

学校で学ぶべきこと

小学校、中学校、高校、大学、ある人は大学院と、16年以上人は学校というところで学び続ける。さて、なにを学び身につければいいのだろうか。 高校以下の学校で学ぶものは、教養と言っても差支えないだろう。ふつうに社会生活送るために必要な知識である。中…

「器」について

以前にも書いた記憶があるが、もう一度書いておく。「器」。広辞苑によると、「ことを担当するに足る才能。器量。また、人物の大きさ。」とある。 頭の回転がいいだけなら、器という言葉は使わない。器とは容量の大きさを示している。外に対して大きく開き、…

コンプレックスというもの

人というものは多かれ少なかれコンプレックスを抱いている。コンプレックスの種類はさまざまでオールマイティな人は、そのオールマイティさにコンプレックスを持つ。種類のみならず次元においてもいろいろである。 自分が持っているコンプレックスを軽々と乗…

大体のことが、思ったようにならないのが世の中である

これまで人生を生きてきて、また建築の設計をしてきて、つくづく感じるのは、自分がこうなるだろうと論理立てて考えてきたことが、思い通りに進む確率はかなり低いということである。 人生については、建築家になることはとりあえず達成できたが、仕事の有様…

自分には見えない次元があるかもしれないということ

建築に関しては、空間やデザインについては、修行や修練によって一般の人には見えない次元のことまで見えるようになってきた。 アート、音楽、文学などの分野の優れた人たちは、自分には見えない次元のことが見えているのだろう。自分には見えないが彼らには…

立ち位置不在の時代

社会的風潮として、自分のあたまで考え 自ら行動する人が少なくなっているような 気がする。これらの行為は自分の自由を 守るために必要不可欠なことであるにも かかわらず・・・。 社会の中で自らの自由を行使するために は社会に貢献するという責任を負う…

久しぶりに悪夢を見る

きのうの夜から朝にかけて眠りが浅く久し ぶりに3本立ての悪夢を見る。いずれも生々 しく、なんらかの恨みなり不安を象徴して いる。寝起きが気持ちいいものではない。 複数に未決着の案件を抱えているからだろ うか。不安は3つ以上になると処理するの が難…

制度化は制度化されたものを無化する

世の中では、制度化やマニュアル化が恐る べき速さで進行している。 それらは、勉学や業務を合理的に無駄なく 学びチェックするためのものである。だが、 実際の社会では制度化やマニュアル化で そこでよりよくしようとしていたものが、より 悪くなるという…

スマートフォン考

先頃亡くなった西部邁さんは、晩年電車 を使わなくなった。理由は、乗車してい るほとんどの人がスマートフォンをいじ っている光景に耐えられなかったらしい。 この話を知って、ジョージ・オーウェルの 「1984」思い出した。それぞれの家に置 いてある「テ…

観光地、豪徳寺

以前も書いたが、豪徳寺の国際観光地化 が加速している。商店街を歩くと世界中 から来た観光客とすれ違う。 きのうは、お蕎麦屋さんでお昼を食べて いると東洋系の4人連れがお店に入って きた。おかみさんが英語で対応していた。 ちょっと前までは、観光客は…

まちなみの変化

きのうはお昼に、お寿司屋さんに行きバラ チラシを食べる。この店はもともと寿司屋 で、よく通っていた。そこを1年前に居抜き で、小さなチェーン店の寿司屋が入った。 つい先日、またまた居抜きで新たな寿司 屋に替わった。それが現在の店である。 このよう…

思考の方向性

世界を二分する勢力があるとき、社会が 成長しているときは、それぞれの陣営の 考え方や社会そのものにもある方向性を 持った思考が存在する。それをイデオロ ギーというのだろう。 冷戦が終わり、今の日本のように成長が 終わり停滞している状況においては…